カーテンやブラインドなど窓周辺の装飾をウィンドウトリートメントと呼びます。
インテリアというと家具のことに意識が行くと思いますが、お部屋の中でも面積が大きい部分になりますので、実はお部屋作りを考える上で非常に大切なアイテムになります。今回はカーテンやブラインドの違いや使い方、合わせやすいインテリアスタイルについて提案していきます。
ウィンドウトリートメントの違いについて
カーテン
洋室のウィンドウトリートメントとして最もポピュラーなものがダブルカーテンです。部屋側に吊るされる厚手の“ドレープカーテン”と窓側で風や光を透かせるための“レースカーテン”を組み合わせて使います。
見慣れてしまっているせいでありきたりな印象を持たれがちですが、ヒダの取り方や吊るし方を工夫したり、デザイン性の高いカーテンレールを使用したりと、見せ方に少しこだわることで一般的なイメージとは一味違ったハイセンスな空間を演出できます。
色や柄の種類が豊富なことはもちろん、遮光や遮熱、防音などの性能を付加した生地も多く作られています。インテリアと機能性の両面からニーズに合ったものを選びましょう。
ブラインド
開けるか閉めるかのどちらかしかできない他のものとは違い、羽の角度を自在に変えて採光するのがブラインドです。調整によって光を直接光だけでなく間接光のように取り入れることもでき、過ごしやすい明るさに合わせられるのが最大のメリットです。また、羽が目隠しになってくれるため、道路や近隣の上階などからの視線が気になる場所でもプライバシーを守りながらの採光と通風が可能です。
ブラインドといえば「掃除が面倒」というイメージが浸透していますが、そのままモップや雑巾で汚れを拭き取るだけなので、天候や時間も関係なく思い付いた時すぐに取り掛かることができます。外して洗濯しなければならないカーテンと比べて、ブラインド掃除の方が手軽に感じられる方も多いのではないでしょうか。
ロールスクリーン
ロールスクリーンは窓枠の上辺にバーと本体を取り付けて布を吊るし、開ける際には上へくるくると巻き上げます。開けている時は布だまりができず、閉じている時は布に織り目やヒダができないので、常にお部屋をすっきりとした印象に保つことができます。紐を引くだけで開閉でき、操作性が簡単なことや僅かなスペースでも設置できることから、間仕切りとしてもよく使われています。
構造上、厚い生地で作ることができず、窓との間に隙間もできやすいため、遮光や遮熱などの性能は低くなってしまいます。特に夜間に室内の人影が映ってしまわないよう生地選びと設置場所には注意が必要です。ただし空間演出にはとても効果的で、布のフラットさを活かして柄物の生地を使うとファブリックパネルのような楽しみ方もできます。
ローマンシェード
窓枠の上辺から布を吊るし、紐を引くことで上下に開閉するのがローマンシェードです。布を巻き上げるロールスクリーンとは違い、布をじゃばら状に畳んだりドレープを作ったりしながら開き、布だまりの見せ方もインテリアの一部となります。
通常のドレープカーテンと同じ生地を使用できる上、ドレープカーテンよりお部屋をすっきりとオシャレに見せることができるため、最近ではリビングなどの開口部の大きな窓にも使われることが多くなってきました。
全開にすると上部にヒダが連なります。重い印象にならないよう、畳み方や畳んだ際のボリューム、布の見え方などを確認しておくようにしましょう。
インテリアに合わせたカーテンスタイルについて
本来、ウィンドウトリートメントは目隠しや遮光、保温などを目的としたものですが、お部屋の雰囲気を大きく左右するアイテムでもありますので、インテリアと相性の良いものを選びましょう。見た目はもちろん、窓の位置や大きさ、お部屋の広さなどに合ったものを上手に使い分けると、インテリア上級者のお部屋のように、こなれた素敵な空間を作ることができます。
カーテンを機能の点から考える
普段よく過ごす場所は遮熱や遮光、保温性を重視し、光と温度の調整に優れたものを使うことで快適に生活できます。リビングなどの大きな窓に最も適しているのはやはり厚手の布地です。ドレープカーテンで窓を隙間なく覆うと外気を防いでエアコンの効きも良く、省エネの観点からも高い効果を発揮します。
多くの種類が作られているため、色や柄、質感などの選択肢が多く、どのようなインテリアでも探しやすいというメリットもあります。ただし壁からヒダの山まで10cm程度の奥行きが必要ですので、お部屋を広く見せ、すっきりとした空間を作りたい場合や、よりオシャレな空間にしたいというこだわりがあるならローマンシェードとして取り入れることをおすすめします。
明るさ調整のためのウィンドウトリートメント
明り取りのための小窓には壁やインテリアと同系色のロールスクリーンやブラインドを使うと主張しすぎず、軽やかな印象を保つことができます。
また、あえて外国のインテリアのように鮮やかな色を用いるとアクセントにもなります。ロールスクリーンはフラットで奥行きをほとんど必要としないため、サービスルームや納戸のような狭いお部屋にも適しています。軽快なイメージは子供部屋にも合いますが、子供が小さいうちは紐による事故が起こらないよう十分に注意してあげて下さい。
カーテンを付けにくい和室の窓のコーディネート
ウィンドウトリートメントで最も悩むのが和室ではないでしょうか。最近ではリビングと和室が一続きになった間取りも多く、和室と洋室に統一感を求められるケースがよく見られます。このような場合におすすめしたいのが、木製のブラインドや竹製のロールスクリーンなど、自然素材を使ったウィンドウトリートメントです。
日本人は昔からすだれを使ってきましたので、その現代版と考えれば和室と相性が良いのも納得できますよね。木製のものは濃い色であればモダンアジアン、薄い色であれば北欧風など、色によってさまざまなテイストと調和します。インテリアにぴったりと合うウィンドウトリートメントを見つけられていない方はぜひ選択肢の一つとして考えてみて下さい。
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